長岡市 K邸

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道路からの外観
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土間のショールーム
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ショールームの様子
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ショールームからダイニングを見る
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ダイニングから連続する居間
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居間の様子
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土間の作業場
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キッチンからダイニング方向を見る
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ショールーム・居間・個室の連続する様子
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2階ロフトの様子
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ロフトからの見下ろし
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西面外観
新潟県長岡市K邸

概要
敷地は長岡市の郊外、水田の広がる平野にあります。古くからの民家のある場所で周辺に
は神社などがあり、落ち着いた印象の住宅街のすこし奥まった場所にあります。
 クライアントは木工家具の職人さんでnine 九里家具製作所を営んでいます。隣接する
ご実家の倉庫が製作場所となっており、自宅兼ショールームを併設する店舗併用住宅の
計画です。


平面計画
住まい・ショールーム・2台分の車庫の3つの大きな機能に別れます。全体は単純な大きな
矩形をしています。方形の屋根を載せたシンプルな形態をしています。南北方向は2.730mm
の幅を基本として、奥に行くほどプライベート性が高まる構成です。南面にショールーム・
軽作業の作業場、玄関を兼ねた土間、薪ストーブの機能を配置したゾーン。その奥にダイニ
ング・畳の居間・寝室のゾーン、その奥にキッチン・子供部屋・水回り・収納が配置されて
います。各機能は「仕切る」・「開く」が可能な引戸により区切られており、時間帯や用途
により領域を広げたり狭めたり出来るようになっています。東西方向は関連する機能を視覚
的に連続するように繋げ、必要に応じて分節出来るように配慮しています。
 このような店舗と私生活が混同していることはメリットデメリットがあります。はじめに
お会いした時にご自身が造り使っている家具たちを見た時にすごく説得力を持って見えました。
10年使ったという椅子やキャビネットが実際の生活空間に置かれ使われる様を見た貰う方が
良いと素直にお伝えしました。立地が商業地域ではなく、普通の住宅街にあることもありま
すが、店舗ではなく、家具をつくっている人の家に見に行くような体験になっています。
自宅でイベントをするなどの予定もイメージされおり、自宅を開放しギャラリーのように使え
ることも想定し、土足、上足など段階をつくったレイヤーを設けています。
 各機能は6畳8畳10畳のような一般的な住まいの広さを使い、実際に家具たちが置かれる
広さになっています。スケール感を確かめてもらえると同時に実際に置く自宅でのイメージを
し易いスケールになっています。
 2階はロフトして一部物置としています。基本は機能はなく、家全体の空間を屋根と連続さ
せることで広がりを感じられるようになっており、各機能の比較的コンパクトなスケールに対
して屋根がつくる大きなスケールを用意する事で狭さを感じないように計画しています。


構造計画
構造は木造の在来工法で多雪地域でありながら比較的壁の存在を感じにくい空間構成を実現
しています。特徴的な編芯した方形家型を露出させたワンルームの構成になっています。
4本の棟木を露出させて、中心で集める特徴的な構成となっています。非常に多い多雪地域
(2m)にあるため梁などは大きくなっています。同時に雪下ろしをしないで済むように載せ
たままでも耐えられる設計としています。非常に難しいメインフレームの加工でしたが施工
して頂いた小出建設さんの社長・大工さん・監督さんの計算・作図・加工により実現してい
ます。プレカットでは加工出来ず、手刻みにより加工されています。


設備・その他
外壁は長野県産の唐松柾目板です。柾目板を初めて採用した物件で、伐採、乾燥、加工を
されている林業士の方から直接購入しています。柾目という贅沢な使い方もサンプルの中から
この感じが良いと要望して実現しました。上品で、かつ和風にならない国産の外装材は意外と
少ないと感じています。家具屋さんらしく木材に対する熱意とこだわりを感じます。
 ストーブは比較的シンプルでモダン、コンパクトな鉄板式の物を採用。大空間ですが断熱
性能がしっかりしており十分機能しています。
 サッシは複合サッシのlow-eを採用。南面には大きめの窓を配置していますが、日焼けの
問題などがある為、庇をしっかりとだして直射光の入る量を調整しています。
 多雪地帯という難しい気候ですが、積雪時に除雪や融雪を最小限で済むように庇下の空間を
広めに設けて、日常の作業が最小限になるよう雪下ろし不要の方策を選定して計画しています。

キッチンとダイニングテーブル他、家具はクライアント(nine)さんのもの。主にナラ材が使わ
れています。キッチンは実験的に天板も木で作っていたり、ステンレスのシンクを木の天板に
載せた形式に。ナラの少しハード目の木目を採用して素材感のある印象的なのキッチン
になっています。その他キャビネットやソファ、ダイニングなど時々レイアウトが変わるも
納まりが良いのはやはり全て作られているからでしょう。ショールームのピカピカで生活感の
無い綺麗なイメージも多いと思います。ここで見ることのできる家具と空間は、実際に使われて
物があり、生活がある。働いている家具のカジュアルで気さくな印象はクライアントの印象と
重なります。


新潟県長岡市K邸

所在地 新潟県長岡市
主要用途 住宅
竣工年 2015年

設計・監理 暮らしと建築社
   担当/須永次郎 須永理葉
構造 木下洋介構造設計室
   担当/木下洋介
施工 小出建設株式会社
   
敷地面積  321m2
建築面積  134.69m2
延床面積 169.79m2
階数   地上2階 
設計期間 2014年2月~2015年5月
施工期間 2015年6月~2015年11月
写真撮影  上田宏